雇用対策法を活用して再就職者支援を 「ルネサスリストラかながわ対策会議」が公共職業安定所と市に要請
ルネサスエレクトロニクスの事業所閉鎖や大リストラの問題で、ルネサスリストラかながわ対策会議は、退職を余儀なくされた労働者が雇用対策法にもとづき、確実に再就職ができるよう有効な施策をおこなうことを川崎北公共職業安定所と川崎市(22日)、相模原公共職業安定所と相模原市(23日)に申し入れ、懇談しました。申し入れ内容は、これまで退職された人たちの再就職や暮らしの調査の実施、独自の労働相談・再就職支援の実施、(1)事業所閉鎖の見直しと(2)配転できない労働者へ通える職場の確保をルネサスへ要請すること、などです。
雇用対策法は「転職に当たっての円滑な再就職の促進…職業生活の全期間を通じて、その職業の安定を図」ることを基本理念とし国、事業主等に対し必要な施策をおこなうことを定めています。事業主に対しては離職者が再就職できるよう「再就職援助計画」の提出を義務づけ、公共職業安定所に対してはその「計画」が適当でないと認めた場合は変更を求め、事業主が応じなかった場合は認定をおこなわないことができるとしています。
また地方自体には国の施策とあいまって必要な施策を講ずるよう努めることを求めています。
再就職支援会社への相談がリストラへの第1歩
(写真 上)川崎北公共職業安定所での申し入れ・懇談
川崎北公共職業安定所との懇談では「再就職援助計画」が認定されてもその後の再就職が保障されていない問題が浮き彫りになりました。「計画」に「再就職支援会社を利用する」とあれば良しとしていますが、実際には再就職支援会社への相談は労働者への業務命令であり、そこで退職届けにサインさせられ、その上再就職は保障されていません。結果として再就職できているか会社に調査することを要請しました。
働く者の町として市として施策を
川崎市との懇談では、世界的ブランドの企業が根こそぎなくなることが働く者の町としていいのかが話題に。ルネサス北伊丹事業所がある地元の市長は「事業所撤退は極めて遺憾」として親会社の三菱電機に対応を要望している例も紹介し、川崎市として事業所や職業安定所と懇談し、状況をつかみ、市としての施策に生かしてほしいと要請しました。
どれだけ再就職できているか確認を
相模原公共職業安定所との懇談では、再就職支援会社を利用した人の多くは再就職できていない、できた人でも年収はそれまでの半分、なかには派遣会社に就職し同じ職場に給料減で働いている人もいる例も示し、どれだけ再就職できているか、会社に確認することを求めました。
雇用と地方経済を守るために
(写真 上) 相模原市での申し入れ・懇談
相模原市との懇談では、市としてワンストップで就職を支援する相模原市総合支援センターを独自事業としておこなっていることが話されました。雇用と地方経済を守るために自治体として大企業の自由勝手を規制する施策をおこなってほしいと求めました。
「しんぶん赤旗」日刊紙、2014年7月26日付「ルネサス再就職支援を 対策会議、川崎市などに要請」。