2014年10月21日
労働者を守る新しい世界標準 国連・ビジネスと人権に関する指導原則
大木 一訓 氏
安倍政権下の日本では、人を人とも思わない人権侵害がいたるところで横行するようになった。職場では『パワハラ」や不当解雇をはじめとする露骨な人権侵害が、あらゆる職種・地域をまきこむ広がりを見せている。日本航空、IBM、ルネサスなどの例でも明らかなように、人権攻撃の先頭に立っているのは大企業である。そして、その冷酷無謀な攻撃に歯止めをかけるべき政府は、歯止めどころか大企業を後押しして、人権侵害をいっそうまん延させる政策を押し進めている。
多国籍企業から守る画期的成果
今日の国際情勢から見るとき、こうしたわが国の人権状況はあまりにも異常である。21世紀の初頭以来、国際社会は国連を中心に一致して人権の確立に向け努力を強めてきているからである。なかでも、多国籍企業の人権侵害からどう人びとを守るかという課題については、この間、画期的な成果を生み出している。国連事務総長特別代表ラギーによって作成・提案され、2011年11月6日の国連人権理事会が全会一致で採決した「国連・ビジネスと人権に関する指導原則」がそれである。
「しんぶん赤旗」日刊紙、2014/10/21付(クリックで拡大できます)。