「労働者が富をつくる」―「すき家」の人材不足「一時休業」が示すもの
現代の「逃散」
牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショウグループが2月から4月にかけ、人手不足などで多くの店舗が一時休業や時間帯休業をしたと認めました。この話を聞いてある方が現代の「逃散」だと表現しました。「逃散」とは中世以降の農民闘争の一形態で領主への抵抗手段として、村を挙げて耕作を放棄し、山野や他領へ逃亡したことです。困った領主は年貢軽減などの要求を受け入れることにもなりました。いま「すき家」はじめ外食産業では時給を大幅アップさせています。「逃散」という「闘い」の結果ではないでしょうか。
労働者が主人公―労働組合のたたかいで
もう一つ「働く人がいなければ商品をつくれない」ことも明確になりました。フランスやイギリスの労働者は資本家の要求と労働者の要求が真っ向から対立していること、そのなかで労働者がストライキをすれば生産がとまる、労働者なしには企業の生産活動を続けられないということを体験しながら「労働者が富をうむ」「労働力の安売りはしない」という信念を形成してきたとのことです(藤田宏「仏・英の常識と日本の非常識」、『前衛』2011年11月号)。
現在は憲法で労働者が組合をつくり、団体交渉し、ストライキをする権利が保障されています。労働組合がおこなう正当なストライキに対し刑事責任も問うことも損害賠償も請求することができません。
「すき屋」のアルバイト店員たちが加入する首都圏青年ユニオンは解雇撤回、サービス残業是正、時給アップ、1人勤務体制解消などを要求し実現を勝ち取ってきています。こういう道に未来があるのではないでしょうか。
(左)「すき家閉店続出 人員不足のため、18時に閉めます」(「しんぶん赤旗」日刊紙、2014/3/28付)
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(右)「すき家 人手不足・従業員の負担増認める『労働環境改善します』」(「しんぶん赤旗」日刊紙、2014/4/18付)
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