人間らしい雇用を守るルールをつくる
非正規雇用拡大の労働法制の規制緩和を許さず、人間らしい雇用を実現するルールを作る事が必要です。
ブラック企業が成り立つのは、「正社員で募集すれば、いくらでも人は集まる」という労働市場になっているからです。働いている人は「辞めたら正社員での再就職はできない」という恐怖感から、連日、深夜になるまでの長時間労働にも、パワハラやいじめにも耐え、しがみつかざるを得ない状況に追い込まれていきます。
派遣法をはじめとする労働法制の規制緩和で非正規雇用を労働者の4割近くにまで増やしたことが、ブラック企業の存立基盤となっているのです。ところが安倍内閣は、「派遣を常用雇用の代替にしない」という大原則を投げ捨て、正社員を派遣に置き換えることを完全に自由化し、禁止された日雇い派遣も復活させる労働者派遣法の大改悪案を(来年の通常国会)に提出しようとしています。「解雇自由」の「ブラック特区」もつくろうとしています。こんなことをすれば、非正規雇用がもっと増え、若者が正社員になる道をいっそう狭め、ブラック企業を増やし広げることになってしまいます。
ブラック企業での無法な働かせ方を規制する新しい法律をつくる世論と運動を広げることと一体に、「使い捨て」「使いつぶし」の働かせ方を広げた労働法制の規制緩和の流れを転換させて、人間らしい雇用のルールをつくることは重要な課題となっています。
(上:「しんぶん赤旗」 2010.4.10 図表 増加する派遣労働者と大企業の内部留保)